フランス語のquitter/キテ/は英語のquitとleaveを兼任している【ゆるフラ4-3】

フランス語
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題材

【例文】
Il y a trois semaines qu’elle a quitté Paris.

/i-lja trwɑ sə-mɛn kɛl a ki-te pa-ri/
/イリヤ トロワ スメーヌ ケラ キテ パリ/
「彼女がパリを出て3週間になる。」
(『仏検3・4級必須単語集』白水社 4-3)

この例文を使ってフランス語を解説します。

「il y a+期間+que~」

「il y a+期間+que~直説法~」の構文で、「〇〇前からしている」という意味になります。(『プチ・ロワイヤル仏和辞典』il y a レジュメ)

【単語】
trois/trwɑ トロワ/「3」←英語のthree
semaine/sə-mɛn スメーヌ/「週」←英語のweek

trois semaines=three weeks=3週間

「il y a trois semaine que~」で「3週間前から~している」という意味になります。
英語にする場合は、現在完了形がちょうどいいです。

Il y a trois semaines qu’elle a quitté Paris.
It has been three weeks since she left Paris.

qu’elleのエリズィヨン

qu’elle/ケル/は、que/kə ク/のeが省略された形です。

que+elle=qu’elle

このように、文字が省略される現象を「エリズィヨン(élision)」と言います。
どのような場合にエリズィヨンするのか覚える必要がありますが、詳しくは下記ビデオ講座の「文法解説編」をご覧ください↓

que

queの発音は「クエ」じゃなくて「ク」です。

que/ク/は英語のthatみたいな感じで節(せつ)を作ります。つまりS(主語)+V(動詞)が続きます。

【仏】Je crois quilS viendraV demain.
【英】I think that heS will comeV tomorrow.
「彼はあす来ると思う。」

もし節と言われてピンとこない場合は、できればまず英語を復習しましょう💦

que節内の解説

que S’ V’

queの中は次のようになっています。

elle a quitté Paris
「彼女はパリを去った」

elle

elle/ɛl エル/は「彼女(英語のshe)」です。

このelleが、ファッション雑誌のタイトル『エル』です。

a

aはavoir/a-vwaːr アヴォワール/「持つ(have)」の活用形です。

なんと、フランス語の「elle a 過去分詞」も、英語の「she has 過去分詞」も、過去を表す表現です。

avoir+ quitté

quitté/キテ/はquitter/キテ/「去る」の過去分詞形です。発音は「クイッテ」じゃなくて「キテ」です。

「avoir+過去分詞」をフランス語文法では複合過去と呼びます。

超基礎なのですが説明すると非常に長くなるので「avoirの活用形」・「動詞の過去分詞の作り方」・「複合過去の使い方」については、ググるか下記のビデオ講座をご覧ください↓

Paris

フランス語でParisの発音は/pa-ri パリ/です。日本語で「↑リ↓」言うのはフランス語に近いです。

強いて言うなら、フランス語は語末にアクセントがあるので、「パ↓リ↑」と「」を強く・高く読めば完璧です。

なお英語ではParis/ˈpeɚ̯.rɪs ペアリス/と発音するので、色々英語訛りです。

英語 quit と leave の使い分け

フランス語のquitter

フランス語のquitterは「(街を)去る」の意味と「(仕事を)辞める」のどちらにも普通に使えます。

quitter la France
「フランスを離れる」

quitter son emploi
「職を辞する」

(『プチ・ロワイヤル仏和辞典第5版』quitter)

英語の「去る」

英語のquitも場所にも仕事にもつかえます。

She quit her job.
「彼女は仕事を辞めた。」

⦅正式⦆quit the city
「その市を去る」

(『ジーニアス英和辞典第6版』quit)

しかし、実際に使う頻度を集計すると、けっこう差があります。

“left the city”は302個の用例がヒットしました。

『COCA』

一方で、”quit the city”というフレーズは、たったの3つだけです、

『COCA』 FREQUENCY

よって学習者としての方針としては、英語の場合「去る」の意味のquitは見聞きしたら分かるように知識として覚えますが、実際に自分で使うのはleaveをメインにしましょう。

英語の「やめる」

英語のleaveもquitもどちらも「仕事を辞める」に使えます。頻度も似た具合です。

『COCA』 FREQUENCY
『COCA』 FREQUENCY

じゃあどう使い分けるかですが、そこは辞書に載っています。

『ジーニアス英和辞典第6版』retire

ただ、quit・leaveなど、英語は短い単語ほど使い分けが難しいので、英会話学校で先生にきいてみるのも手です↓

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