題材
『DUO3.0』という単語帳から、暗記する価値がある例文を解説します。
【例文8】
“Natto” smells awful but tastes terrific.
「納豆は臭いはひどいけれど味は最高。」
taste
構文
問題です。例文のtastesは、なぜ語末に-sがあるのでしょうか?
正解として「”Natto”が主語なので、三単現のsが必要だから」と答えられたら完璧です。
“Natto”(S)
smells(V1) awful(C1)
but
tastes(V2) terrific(C2).
(等位)接続詞のbutがV1とV2を繋いでいて、V1もV2も主語(S)は”Natto”であることを確認しましょう。
つまり、書き直すと、
“Natto” smells awful.
but
“Natto” tastes terrific.
という形とも言えます。
butで繋がれているので、awfulが悪い意味だと分かると、terrificという単語は逆に良い意味であろうと推測までできます。
このように、簡単そうな文であっても、常に構文(SVOC)を把握しましょう。
自他交代
以前やったsmellと似ていて、tasteも同じ形のまま自他交代します。つまり、tasteは自動詞と他動詞の両方になります。
訳もsmellと似ていて、自他ともに日本語では「味がする」がぴったりです。
【自動詞】SVC
This soup tastes salty.
「このスープは塩辛い。」
【他動詞】SVO
I can taste garlic in this stew.
「このシチューはニンニクの味がする。」
(『ジーニアス英和辞典』より)
「can+知覚動詞」の用法
さらに面白いのは、smellもtasteも他動詞の場合、しばしばcanを伴うという記述がジーニアス英和辞典にある点です。
smellやtasteは知覚動詞といって、通常は進行形にしません。それを補うためにcanを伴い、進行形っぽい意味を表していると考えられます。
このような「can+知覚動詞」の用法は、各種辞典でも立項されています。
『ジーニアス英和辞典』 can ❸[can+知覚動詞] より
知覚動詞は通例進行形不可なので⦅主に英⦆では「can+知覚動詞」がその代用表現となることがある。
I can see the moon.「月が見えている」
《◆×I am seeing the moon. の代用表現》
『ライトハウス英和辞典』canの用法より
(3) 普通は進行形にしない see, hear, feel, smell, taste, understand, believe などの感覚・知覚動詞とともに用いた場合は意味が弱く, 全体としての意味は動詞だけのときとほぼ同じで 「知覚が続いている状態」 を表わす
SVO型の文でsmellやtasteが使われるとき、基本的にはcanが伴うと考えてよいでしょう。
なお今回の題材である、
【例文8】
“Natto” smells awful but tastes terrific.
「納豆は臭いはひどいけれど味は最高。」
においては、SVC型ですのでcanは必要ありません。