題材
今回も『DUO3.0』という単語集から、暗記する価値がある例文を紹介します。
Bon was so beside himself that he could scarcely tell fact from fiction.
「ボブはひどく取り乱していて、現実と虚構の区別がほとんどできなかった。」
so A that B
so A that Bは「①結果や②程度を表す」と言われます。多くの場合①結果②程度のどちらでも訳せます。(『Evergreen』p631、『真・英文法大全』p141)
①結果なら前から訳す→「とてもAなのでBだ」
【例】ボブはとても取り乱していたので、現実と虚構の区別がほとんどできなかった。
②程度なら後ろから訳す→「BなくらいAだ」
【例】現実と虚構の区別がほとんどできないくらい、ボブはとても取り乱していた。」
前から順番に読めるので「とりあえず①結果で訳してみる」のをおススメします。
be beside oneself (with)
「激しい感情で取り乱す」といった意味です。良い感情にも悪い感情も使えますが、どちらかと言えば悪い場合に使うことがやや多いです。

ポジティブな意味もネガティブな意味も両方ランクインしている、ネガティブなgriefがトップである。
scarcely
scarcelyの発音は/ˈskɛɚ̯sli スケアスリー/です。carの部分は車のcar/kɑɚ̯ カー/ではなくcare/kɛɚ̯ ケア/と同じ発音です。*スカースリーではなくスケアスリーです。
実質notみたいなもので、語順もnotと同じで助動詞と動詞の間に置きます。
実質notみたいな副詞を『ジーニアス英和辞典第6版』では「準否定語」と呼び、anyの所にまとめて載っています。
hardly, barely, rarely, scarcely, seldom, tooなど
(『ジーニアス英和辞典第6版』any)
can tell A from B
意味は「AとBを区別する」です。canごとセットで使いましょう。
『DUO3.0』〔通例can ー〕と記載があります。これはいつもcanを付けろ!という著者からのメッセージです。
『ジーニアス英和辞典第6版』tell❸の例文にはすべてcanが含まれています。
Can you tell the difference?「違いがわかりますか」
I can’t tell why.「なぜなのかわからない」
など
fact vs fiction
fact/ˈfækt ファクトゥ/ 「現実」と fiction/ˈfɪkʃn フィクション/「虚構」 は対義語です。セットで覚えましょう。
『ジーニアス英和辞典第6版』fiction❷にも対義語としてfactが掲載されています。
【豆知識】
対義語のfactとフィクションですが、派生して形容詞になると、なんか同じような意味になります。
fact→factitious/fækˈtɪʃ.əs ファクティシャス/「人為的な、まがいの」
fiction→fictitious/fɪkˈtɪʃ.əs フィクティシャス/「偽りの、うその」
factの語源がラテン語faciō/ファキオー/「する、行う」という英語のdoに当たる動詞に遡るのですが、
なされた事→事実(fact)
なされた事→人為的な嘘の(factitious)
と真逆の方向に意味が広がったようです。
まとめ
以上をまとめると、次のような訳になります。
Bon was so beside himself that he could scarcely tell fact from fiction.
「ボブはひどく取り乱していて、現実と虚構の区別がほとんどできなかった。」