題材
『DUO3.0』という単語帳は、560本ある例文を覚えることで、受験や英会話などに幅広く対応できます。
【例文1】
We must respect the will of the individual.
「個人の意思は尊重しなければいけない」
今回はこの例文を使います。
must
must/məst/(マスト)は「しなければならない」という助動詞です。助動詞は動詞の前に置きます。
(『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』p164)
respect
respect/rɪsˈpɛkt/(リスペクト)は「尊敬する」という動詞ですが、「尊重する」という意味まで広がります。
respectの最初のeは「/ɛ/エ」ではなく「/ɪ/イ」と読みます。下記も同じ発音です。
report/rɪˈpɔɚt/(リポートゥ)「報告する」
react/rɪˈækt/(リアクトゥ)「反応する」
will
中学校では、willは「~するだろう」という未来を表す助動詞として習います。
助動詞のときはwill/l/(ル)のように、弱く「ル」だけ発音します。
(『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』p142)
I will call him tonight.(アル カーリム トゥナイトゥ)です。
しかし、今回のwillは「意思」という名詞で、高校レベルです。名詞のwillは/wɪl/(ウィル)とハッキリ発音します。
individual
individual/ˌɪndəˈvɪdʒəl/(インディヴィジュアウ)は「個人」という名詞です。
語源は「in+divid+ual」に分けることができます。
(『英単語の語源図鑑』p241)
in-
in-は「~でない」という意味の部品で、
informal/ɪnˈfɔɚməl/(インフォーマウ)「形式ばっていない」
intact/ɪnˈtækt/(インタクトゥ)「触れられていない→無傷の」
といった単語を構成します。
-divid-
-divid-は
divide/dɪˈvaɪd/(ディヴァイドゥ)「分ける」
という形で実際に使われている英単語です。
the
theがつくもの
theは「せーのっ」でみんなが指させるものに付きます。太陽は1個しかないから、みんなで指させるのでthe sunです。また、文章に1回出てきたものはみんなで指させるのでtheです。
(参考『世界一わかりやすい英文法の授業』)
慣用句でのthe
では「the will of the individual」、1個しかないものでもないし、文章にすでに出てきたものでもないのに、なぜtheがついているのか?
結論は慣用句として丸暗記です。このように、言葉には「そう言うからそう言う」という理屈で丸暗記する場面がよくあります。
We
文型
全体の文型を確認しておきましょう。SVOCに分けると次のとおりです。
S[We] V[must respect] O[the will of the individual.]
we
直訳すると「私たちは尊重しなければならない、個人の意思を。」になります。しかし、We「私たち」は普通は訳しません。これは「漠然と人々を指す」用法です。
【例文】We had little rain last month.「先月は雨がほとんど降らなかった」(『Evergreen』p530)
you
なお、youにも同じ用法があり、youは訳さないのが有名です。
【例文】You can’t get a driver’s license until you’re eighteen.「18歳になるまでは、運転免許をとることはできません。」(『Evergreen』p530)
結論
よって、「We must respect the will of the individual.」は「個人の意思は尊重しなければいけない。」とWeを省いて訳されます。