題材
『DUO3.0』という単語帳から、暗記する価値がある例文を解説します。
【例文8】
“Natto” smells awful but tastes terrific.
「納豆は臭いはひどいけれど味は最高。」
awful
意味
awful /ɑːfl アーフゥ/「ひどい」という意味です。
とあるお笑い芸人のギャグに「なんて日だ!」というのがあります。
コントで、色々と不幸なことが起こって、困り果てた状況を嘆くという文脈です。
これを英訳するなら、
It’s an awful day!
(『ジーニアス英和辞典』awful より)
などが良いでしょう。
発音の英米差
awfulという単語は発音にクセがあります。正確に発音したい人は読んでください。
まず『DUO3.0』には、
awful /ɔːfl (オーフゥ)/
と表記があります。
しかし、awを/ɔː オー/と読むのはイギリス英語です。アメリカ英語では/ɑː アー/と読みます。DUO3.0のCDでもアメリカ英語で/ɑː アー/と発音しています。このように日本の英語教材は特に断りがない限り、アメリカ英語の発音が多いです。
CDではアメリカ英語なのに、DUO3.0の本の方は一貫してイギリス英語の発音で/ɔː オー/と表記しちゃってます。読者の皆さんは自分でアメリカ英語の/ɑː アー/に自分で読み替える必要があります。
ジーニアス英和辞典では、「⦅米+⦆/ɑːfl/」と記載があります。辞書の凡例を見ると、⦅米+⦆という記号は「米国式ではこの発音もある,という意味」と記載があります。
ですが「この発音もある」という表記では、じゃあ別の発音の方が主流なの?と思ってしまいます。しかし/ɑː アー/vs /ɔː オー/⦅米+⦆という記号を見たら、アメリカ英語の主流な発音は⦅米+⦆の方だと考えた方が良いです。
主要な発音辞典である『Cambridge English Pronouncing Dictionary 18th Edition』や『LONGMAN pronunciation Dictionary』では、⦅米+⦆で示された/ɑː アー/を主流なアメリカ英語として記載している場合がほとんどです。
さらには、ジーニアス英和辞典の付属音源も含め、日本で販売されている英語教材の(たぶん)ほとんどが、⦅米+⦆の/ɑː アー/で発音しています。
以下、アメリカ英語に統一して表記します。
意味で異なる発音
awfulは、「ひどい」という意味によって発音が異なります。
「ひどい」→/ɑːfl/
「荘厳な」→/ɑːfʊl/
(『Cambridge English Pronouncing Dictionary 18th Edition』より)
「ひどい」のときは2音節目の母音を省略しますが、「荘厳な」という意味では/ʊ/省略しません。
♪ /ɑːfl/→/ɑːfʊl/ (この違いを並べた音源が無かったので作りました。たぶん世界初の試みです。)
小さな違いに感じられますが、ネイティブ英語話者は母音のあり/なしに敏感です。スピーチコンテストに出場したり、正確な発音を目指したい人は要チェックです。
そこまで発音にこだわらない場合は、よく使う /ɑːfl/の方だけ練習しましょう。