題材
今回も『DUO3.0』から暗記する価値がある例文を解説します。ただ単に暗記するのは勿体ない名文なので、暗記のついでに学べる文法などを紹介します。
【例文8】
”Natto” smells awful but tastes terrific.
納豆は臭いはひどいけど味は最高。
今回はsmellsから解説します。
smell
自他両用
動詞のsmell/smel/(スメゥ)の訳は、ざっくり「においがする」だと考えましょう。
《臭い vs 匂い》
「におい」ですが、漢字で書くと、悪いにおいは「臭い」、良いにおいは「匂い」です(参考『岩波 国語辞典 第八版』他)。で、英語のsmellはというと、「臭い」と「匂い」のどっちもが守備範囲です。
It smells good.「匂う(いい匂い😄)」
It smells bad.「臭う(くさい~🤮)」
この守備範囲に対応するために、このページではひらがなで「におい」と表記します。
なんと!smellは自動詞と他動詞のどっちもイケます!言い換えると、おおまかにSVCとSVOの、2つの文型を取ります。ですが自動詞と他動詞のどちらの訳にも「においがする」という日本語がピッタリです。
【自動詞SVC】This flower smells sweet.「この花はいいにおいがする」
【他動詞SVO】I can smell cooking.「料理をしているにおいがする」
(『ジーニアス英和辞典第6版』より)
「文型」って何だっけ?
「文型」という言葉で思い出して欲しいのは、「5文型」というキーワードです。じゃあ、5文型って何だっけ?こんな感じでヤツらでした↓
【5文型】
第1文型 SV
第2文型 SVC
第3文型 SVO
第4文型 SVOO
第5文型 SVOC
このページでは、第2文型 SVCと、第3文型 SVO、を思い出してください。(まとめて勉強したい人は『真・英文法大全』p417~、『Evergreen』p36~、あたりを読んでください。)
第2文型 SVC では、S=C です。「This flower smells sweet.」なら「flower=sweet」です。
第3文型 SVO では、S≠Oです。「I can smell cooking.」なら「I≠cooking」です。
第2文型 SVC では、主語(S)=補語(C) です。
第3文型 SVO では、主語(S)≠目的語(O) です。
=か≠か、の違いがポイントです。
自動詞・他動詞って何だっけ?
自動詞と他動詞の説明は、実は非常に難しいので、このページでは次のように定義します。
自動詞→SV、SVC、の文型を取る動詞
他動詞→SVO、SVOO、SVOC、の文型を取る動詞
この定義で、十分に辞書や文法書が読めるので、これ以上の追求はしません。
自動詞・他動詞とは何か?を本質的に考え出すと、沼にハマりますのでやめましょう。どうしても追及したい人は、言語学者になってください。
『ジーニアス英和辞典第6版』を見ると、自動詞・他動詞は次のように使われています。
他-❶-[SVO]…のように、他動詞の用法の直後に、文型の表示があります。
自-❶-[SVC]…も同様です。
つまり、辞書の自動詞・他動詞の表記も、「文型ありき」なのです。英和辞典ですら、自動詞なら、SVC、他動詞ならSVO、という程度のにしか扱っていないのです。
《ぼやき ~学術研究と語学~》
改めて学術的・言語学的に自動詞・他動詞を定義したところで、おそらく語学の運用能力は上がらないでしょう。言語学者が必ずしも語学ができるとは限らないのです。鳥類学者が飛べないのと同じです。このページの目的は、語学の運用能力向上なので、学術的な研究成果は上辺だけちょこっと味見する程度に留めます。それでも十分に運用力に貢献すると考えます。
題材の例文
”Natto” smells awful but tastes terrific.
この文は第何文型でしょうか?
正解は、第2文型です。
”Natto”(S) smells(V) awful(C)
↑butで繋いで↓
”Natto”(S) tastes(V) terrific(C)
Natto=awful
Natto=terrific
という構造になっています。
さいごに
smellという動詞ひとつ取っても、説明することがたくさんありました。
それでは、また次回。